コンプレックスも含め己を知るということの大切さ

愛され気くばり美人道

 

宝塚音楽学校の願書にある応募条件には、

容姿端麗で卒業後宝塚歌劇団生徒として舞台人に適する方

と記載があります。

 

宝塚音楽学校受験に向けてこの条件に合うように努力をするわけですが、入学してタカラジェンヌの一歩を踏み出したからといって喜びに浸っているのもつかの間、厳しいレッスンや生活の日々が待っています。

 

特に劇団員になると、いやというほど自分のコンプレックス・足りていないところを突き付けられる毎日がやってきます。

どうしても変えられないもの、顔の形や骨格・体型など認めざるを得ません。

 

男役なら、身長や手足の長さ・骨格など

娘役なら、頭の大きさ・顔の大きさ・足の太さ・長さ・手の長さ

そしてセンスのよさ

 

誰もに共通するのは華があるかないか

 

最近の若い方は食べるものや生活習慣で腰の位置が高く、手足が長い八頭身体型の方が多いと思いますが、それでも日本人は西洋人に比べて骨格でずいぶん損をしています。

 

私はぱっちり二重なので、一重瞼や奥二重の方に比べるとお化粧はしやすいほうかもしれません。でも自分の目と目が離れていることに気付きましたし、丸顔なので少し太るとすぐに丸さが強調されます。以前上級生に「たこ焼きみたい」と言われたことがありました。

産毛が青のりのように見えたそうです。笑

(ちなみにこれは仲良くしてくださっていたある程度関係性がある上級生からですよ)

 

宝塚時代は体型の維持にとても苦労しました。

食べなければ痩せるのですが、体力もいりますし、何といっても私は食べることが大好きでした。

過酷なダイエットをしてはリバウンド。

この繰り返しをしていました。

私と違って、ストレスがたまるとがりがりにやせてしまう子もいましたしみんなそれぞれタイプがバラバラです。

 

自分を知る

コンプレックスは嘆いている場合ではなく、それをなんとかカバーするために努力をします。

宝塚でいうと、舞台メイクは研究次第でぐんぐん変わります。

メイクはすべて自分で行いますので、自分の顔にあった方法でそれぞれが研究するのです。

劇団員になってすぐのころは初めてのことばかりで毎日が必死ですが、3年目ぐらいになると下級生ができてきて少しだけですが自分にも目を向ける時間ができてきます。

そうすると舞台に出る1分1秒前まで妥協せずに出ることを意識し始めます。

前髪のちょっとしたカールや分け目の位置、かつらのきれいさやつける角度でずいぶん変わりますので妥協せず直します。

このこだわりはタカラジェンヌ共通ですね。

下級生の時は、遠目で見たらわからないのでは?と思っていたこともありましたが、上級生になってくるとどんなに端っこでも自分を見てくださっている方に対して失礼というのもあり、完璧な状態で出ることに意識を向けるようになりました。

こだわりや妥協を許さないという精神はこのころに培ったのでしょうね。

 

自分はどこがよくてどこが努力が必要な部分なのか。

自分を知るということは最大の強みです。

丸顔であれば、それが強調される髪型ではなく、丸顔だからこそ似合うものを選ぶ。

または面長に見える髪飾りのつけ方をする。そういったことです。

 

自分が持っているものを最大限に活用し、むしろはたから見たらそれがうらやましくなるほどのものになれば最高ではないですか?

芸能人にあこがれるのもそこだと思います。

 

試験基準に体型は関係ある!?

音楽学校の学期末試験の時に面白いことが起こりました。

普段演劇の試験順位は40人中の20番あたりをウロウロ。小さいころ児童劇団に入っていたわりにはあんまりよくないなあと思っていましたが、予科生の寮生活で食生活が乱れちょっと太ってしまいました。その時の順位は37番。下から数えて3番目でした。

 

その後、長期休暇があり自宅で必死にダイエットをし7キロほど痩せたときの試験ではなんと演劇が10番以内に。

これには先生も驚いていらして、どうしてこんなに成績が上がったの?と。

私は何もしていません。ただ痩せただけ。

 

宝塚は一に美貌なのだなと痛感しました。もちろん得意な演劇のエチュードが試験課題に当たったのかもしれませんが、そんなに30番も上がればさすがにびっくりします。

でも点数を付けたのはその演劇の先生のはずですけどね・・・・。

 

やはり人に何かを見せる職業というのは、美貌が大事なのですね。

努力するべきことはたくさんで、永遠です。私の体型はそうも影響するほどなのだと知ったのでした。

え?じゃあ私の実力はそのようなもの???などなどいろいろと考えが頭をめぐりましたが、やはり体型に関しては人の印象を大きく左右するものだと気づきました。

舞台やテレビは通常より大きく映りますので、相当細くないと太って見えます。

特に舞台は遠くから(後ろの方の席から)見たときには、これに加えて筋肉で締まった体でないと、これまた膨張して見えるんです。

これは入団してから気づいたことでしたが、筋肉をつけることは重要です。

 

これは社会人になってからも共通することで、舞台ほどスリムである必要はありませんが、やはりトレーニングを重ね筋肉を鍛えているときのほうが仕事のパフォーマンスは上がります。

ストレスも軽減されますし、体調を管理することができます。

なんといってもかっこよくスーツを着こなせます。

 

華がある人になる

その人が来ただけでパッとその場が華やぐ、自然に目が行ってしまう、そんな経験はないでしょうか。

宝塚には特にこれが必要です。

派手な格好をするとかそういうことではなくて、舞台人は華やかなオーラをまとうことが求められます。

よく、タカラジェンヌは独特のオーラがあると言われることが多いのですが、常に人から見られている意識を持ちなさいと上級生から教わりました。

外見はもちろん、内面を磨くことも重要で、ネガティヴな思考を持っていると顔に出てしまいます。

誰かを羨む出来事もないわけではありませんが、常にポジティヴに考えネガティヴ思考は捨てるよう努力した記憶があります。

宝塚歌劇団が100年以上続く企業であるのは、やはりこのような伝統を上級生から下級生へと受け継がれて、全員がほぼ同じマインドで進んでいけるからこそなのかもしれません。

在団中は意味も分からず必死でやっていたことでも、社会にでてそれが習慣になっていると気づいたときにここでの経験はかけがえのないものだったのだと実感することができました。

 

今日は容姿端麗であるということについてお伝えいたしました。

私自身もこのように文章にすることにより、最近のたるんだ生活を改めるための戒めにもなっています。

人間は楽な方に流れるようにできていますから、普段の意識を高く持つことは誰もができることではありませんが、このころを思い出して頑張りたいと思います。

本日もありがとうございました!!

 

 

おまけ

最近おまけが定着してきました!笑

ダイエットはいつも7キロ単位で変動していた私は、痩せたときの試験はもちろん演劇以外にもすべての科目の点数が上がりました。体形がもっとも関係しなさそうな演劇の授業でさえその順位なのですから、バレエやダンス系はすべて点数が上がりました。

もともとの骨が細い人のほうが実はぜい肉が付きやすいので、太った状況はほぼ肉です。

逆にやせるとガラッと変わります。

久々に会った同期は後ろ姿で誰かわからず、顔を覗き込んで初めて私とわかる、そんなことがありました。

ここでも試したダイエット法はたくさんありましたが、これについてはまたいつかブログで触れたいと思います。

女性にとってはいくつになっても、美貌維持の戦いは続きますね。

年を重ねた美しさを維持する方法も研究していきたいと思います。

 

 

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