宝塚歌劇団出身です。
元タカラジェンヌです。
そういうと必ず厳しいところなんでしょう?
セリフとかよく覚えられますね。
私には到底できないです!などと言われます。
確かに、今から思えばラインダンスも結構ハードですし、よくあの舞台をこなしていたなあと思います。
ですが宝塚歌劇団に入団したからこそ、やらなければならないからやれるわけで、宝塚音楽学校に入学せず別の道を歩んでいたらおそらくできていないことは多いと思います。
その環境の中で育てば、誰しもがそのようになります。
規則などは守らなければ過ごせないですし、何より宝塚のあの舞台に立つに必要なことなんだと思い込んでいるからです。
学びの基本は「守・破・離」
昨日、とあるセミナーを受けたのですが、
「守・破・離(しゅはり)」
というのを学びました。
下記ウィキペディアより引用です。
もとは千利休の訓をまとめた『利休道歌』にある、「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」を引用したものとされている。
修業に際して、まずは師匠から教わった型を徹底的に「守る」ところから修業が始まる。師匠の教えに従って修業・鍛錬を積みその型を身につけた者は、師匠の型はもちろん他流派の型なども含めそれらと自分とを照らし合わせて研究することにより、自分に合ったより良いと思われる型を模索し試すことで既存の型を「破る」ことができるようになる。さらに鍛錬・修業を重ね、かつて教わった師匠の型と自分自身で見出した型の双方に精通しその上に立脚した個人は、自分自身とその技についてよく理解しているため既存の型に囚われることなく、言わば型から「離れ」て自在となることができる。このようにして新たな流派が生まれるのである。
簡単に言うと基本をまず学び、そこから他のアイディアを取り入れながら、最後は独自のものを生み出す。
型というものを破るのは型破り。
型を知らずに自己流で行うのは型なし。
納得です。
日本の伝統文化や“道”とつくものには必ず“型”が存在します。
若いときは、この型にはまることを嫌い、自由にしたがる傾向にあります。
型というものがわかったうえで、アレンジをきかせると独創性に優れたものができますが、そうでない場合はただの自己満足作品になります。
まずは型を守ること、これが大切だとあらためて学びました。
なぜ、これをしなければならないのか?
そういう理由付けが必ずいる人も多いと思うのですが、小さいころだと理由はいりません。
とにかく目の前の守らなければならないことをただ守る、それだけです。
宝塚音楽学校は中学校卒業~高校卒業までの4回しかチャンスがありません。
この時のどこかで合格しないと一生入れないところです。
どうして、この時期なんだろう?と何度か考えたことがあります。
そして、舞妓さんも中卒で(今は違うところもあると思いますが)お師匠さんのところで修業をすると聞いたことがあります。
私が思うに、何の理由付けもなくただ言うことを素直に聞けるのがこの時期で、大切な人間形成はこのときに出来上がっていくのです。
高校を卒業して大人になっていくにつれ、素直に受け入れられないことも出てきます。
大人になるにつれて厳しく注意される環境というのはなくなってきますから、躾けというものは中学・高校の10代のうちに身に着けておかなければあとあと身につきにくくなりますね。
クラシックバレエから学ぶ基礎の大切さ
クラシックバレエの基礎はバーレッスンです。
どんなバレリーナも必ず毎日バーレッスンから始まります。
昨日したからいいというのはありません。
筋肉はすぐに忘れてしまうので、また今日も積み重ねであると先生に言われたことがあります。
本当に楽しくない基礎レッスンになりますが、この型を守ることによって、バーを離れて踊ったときに美しく踊れるのです。
バレエを同じように習っても、手先や首、足の運びに癖が出てきます。
これは個性と言わずよくない癖で、早いうちに直さないと直すのに時間がかかります。
手の通る道、足の通る道、首の角度などはすべて決まっています。
それ以外のところは通らないのです。
クラッシックバレエが基本にある人のダンスというのは本当にぬかりがありません。
細部までとっても美しく、しなやかです。
同じように日本舞踊も然りです。
指先の滑らかな運びは日本舞踊で身に付きます。
私が日常で所作が美しいと言っていただけるのですが、それはここにあるのだと思います。
物心ついたときからクラッシックバレエで鍛えられ、宝塚では日本舞踊をしっかりと学び所作が身についたのだと思っています。
学ぶには素直さが大切です。
素直に型を守ることから始められると、その後の成長は著しく早くなります。
しなやかな所作ができる人は存在がおもてなし
バレエや日本舞踊は生きていく中で必ずみんなが身につけなくてはならないものではありませんが、女性であればやはりしなやかな美しさというのは得をします。
見ていてなんとエレガントなんだろう・・・
そう思われるだけで、好感度がアップし、接しやすくなりますよね。
ほんのちょっとのことですが、そのちょっとした所作のために膨大な時間をかけてトレーニングしているわけです。
いったいこれは何のためになるのだろう?
大人になるとそう考えがちですが、ただただその通りに素直に従ってみることもおすすめします。
守破離
離まで行ったら、また守に戻り型をしっかりと復習していくとよいと思います。
物事はこの繰り返し。
初心にかえる、まさにこのことですね。
あらためて私も今日から意識してやっていこうと思います。
人生は生きている限り学びの毎日です。
先人がいるのであれば、その方から教わるのが一番近道です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう♪