「元タカラジェンヌです」
そういうと、必ず
「だから姿勢がいいんですね!」
と言われることがあります。
確かに姿勢はよく褒められます。
長時間の会議や映画館でない限りは、座っている際も私は背もたれにはもたれません。
これは無意識ではなく意識しています。
椅子に長時間座る際に、だらっとした姿勢をとってしまうと余計にしんどくなるので、できる限りお尻や太ももに体重がかからないようにするためでもあります。
映画館や宝塚大劇場の椅子は長時間座っていても体に優しくできていますが、それでも公演の合間は伸びをしたくなります。
セミナーや会議など、普段のオフィスでそこまで体に配慮した椅子を準備している会社は少ないことだと思います。
椅子に深く腰掛けると足元が結構しんどくなり、足を組んだりお尻を少し下げてだらっとした姿勢になります。
私はいつも浅く腰掛け姿勢よく座るようにしています。そのほうが疲れないですよ。
もしここで腰が痛くなる人はおそらく腹筋の力が足りなくて反り腰になっていますので要注意。坐骨神経痛の方も長時間座るときは時々姿勢を変えたりしたほうがいいですね。
姿勢の良さのヒミツ
タカラジェンヌは入学前にほぼ全員がレッスンに通っています。
私はクラッシックバレエを3歳から習っていました。
宝塚受験クラスというものが世の中に存在することを知らなかったので、個別で通っていました。
宝塚音楽学校に入ると毎日のようにダンスがあります。
クラッシックバレエ
モダンダンス
ジャズダンス
タップダンス
タップダンスは一人の先生でしたが、それ以外のダンスはいろんな先生のいろんなダンスがあります。
音楽学校生は2年間かけてこれをトレーニングするわけですが、それと同時に
タカラジェンヌはいつも見られている意識を持ち清く正しく美しくあること
というのを徹底的に教え込まれます。
姿勢がいいのは、タカラジェンヌというのもありますが、クラッシックバレエで培ったのが多いと思います。
バレリーナは筋肉もしなやか。
伸びのいい筋肉を身につけなくてはなりません。
いつも操り人形のように頭のてっぺんを引っ張られていて、かかとは地面に吸われていくようなイメージで立ちます。
自分の体の中で上下に引っ張られている感じです。
これを行うと自然に体が伸びて姿勢がしゃんとします。この時反り腰にならないように、胃のあたりをきゅっと縮めてくださいね。
バーレッスンがすべての基礎
クラッシックバレエは90分間のレッスンの30分以上をバーレッスンに使います。
鏡のあるスタジオでバーを持ち、基礎レッスンです。
これが一番しんどくてつらい。そして子供のころは面白くなかった・・・
でもこれを避けて通ることはできないのです。
世界をめざすブロードウェイミュージカルの女優やダンサーでクラッシックバレエが踊れない人はいないです。
日本ではそこまでバレエができていなくても、ダンスの種類によっては事足りますが、世界を目指す、一流になるにはクラッシックバレエが基礎になければいずれ伸び悩みます。
ちょっとした手のしぐさや、足の運び、顔の向きなどに差がでます。
振りのある作品を踊るときにこの基礎ができていないといくら頑張ってもサマにならず惜しい感じになります。
素人は騙せても、プロの目から見ると一目瞭然。
踊っている背後に立ち、ダンサーを観察すると基礎のあるなしはすぐにわかります。
むしろ歩いてくる足の運びでどのぐらい踊れるかは一瞬でわかるのです。
よい姿勢を保つには体幹が必要
宝塚ではクラッシックバレエだけでなく、日本舞踊のお稽古も行います。
さっきまで足を外に開いていたのに、10分の休憩の後は急いで浴衣を着てお教室移動をし日舞です。
足は内またにし、膝をくっつけ正座です。
日本舞踊も体幹はとても必要で、指先のそろえ方や首の角度もこれまた先ほどのバレエとは違った運びです。
詳しくはまた別の機会に触れるとして
このようにタカラジェンヌは洋と和の両方から手先の所作や立ち居振る舞いが形成されていくのです。
筋肉・骨格そして自信
海外ドラマを見ると男性はスーツをパリッと着こなし姿勢がよく、どんなにふくよかな女性もドレスを堂々と着こなしていて素敵だと思いませんか?
実は骨格。
日本人と西洋人では骨の付き方が違うんですよね。
海外の食事はカロリーが高いものも多く、ワークアウトするのが当たり前の習慣がありますが、ダイエット目的だけではなくストレス解消にも運動は必要なんです。だから筋肉もしっかりついている。
海外の方がタキシードやドレスを着こなしているのは、あの骨格に加え筋肉がそうさせているところもあります。
そして、姿勢がいいと自信に満ち溢れて見えます。
私が日本人を見ていて全体的に残念だな・・・と思うのはその姿勢の悪さ。
さらにヒールをはいてキツツキのように歩いている姿を見ると、もったいない!って思います。
私は退団してからクラッシックバレエの癖が抜けずけっこう反り腰でした。
これをウォーキングを教えている先生に習いちょっとずつ矯正していきましたので、トレーニング次第では今からでも全然間に合います。
海外では褒めて育てるという文化があります。
I love it. といって相手の持ち物やアイディアをほめたりします。
日本人は謙遜してしまいますが、同時に自己肯定感があまりありません。
ましてや日本人は前へ習え、隣の人と一緒。
でも海外は「なぜみんなと一緒じゃなきゃいけないの?」「違って当たりまえ」この文化があります。
日本でも最近ではそうなってきているかもしれませんが、まだまだ人と違ったことをするのを恐れる傾向にあります。
タカラジェンヌはいい意味で自分に自信を持たなければいけません。
大勢で踊るときは左右前後と同じ行動・動きをしますが、同じことをしていてもそれぞれが輝く、そんなイメージです。
決して誰もかすみません。不思議ですよね。
それは日々レッスンを積み重ねていることが自信になっているからなのです。
努力の積み重ねは自信につながります。それが自然と姿勢に表れて胸をはって毎日を生きていくことができるのかもしれません。
筋肉はむくみ解消にも効果的
よい筋肉をつけると体のむくみも改善されます。
私が毎晩行っている簡単むくみ解消体操は足首の曲げ伸ばしです。
左右交代で足首から先を伸ばしたり曲げたりを繰り返します。
これはふくらはぎの血流を心臓に戻す効果があると聞いたことがあります。
私はこれを行いむくみを解消しています。
最近はYouTubeでヨガやピラティス・ストレッチなどたくさんあるので便利ですよね。
ぜひ毎日自分のコアな部分に意識を向けて体幹を鍛えてみてください。
きっと姿勢がよくて好感度高くいられるようになります。
それって実はすでに“おもてなし”だったりします。
ではまた次回のブログ“で。