夢を売るフェアリー タカラジェンヌの生活事情

愛され気くばり美人道

 

宝塚市のお花はすみれ。

すみれの花咲くころという歌があるように宝塚はすべてがすみれです。

宝塚音楽学校の予科生のとき、わたしは“すみれ寮”に入って生活をしていました。

自宅から2時間弱かかるのですが、通えないこともないのですが、やはり憧れのすみれ寮に一度は入ってみたい・・・そんな思いもありました。

 

普段から生活感を出さない

そんなにたくさんの規則があると思っていなかったので安易に考えた寮生活。

 

そこもまた厳しい世界でした。

 

寮には劇団生も一緒の建物内にいます。

棟が違うとは言え遭遇することもありますので、憧れの方たちがすぐそばいいらっしゃる状況です。

 

すみれ寮は男子禁制でたとえ身内でも入ってくることはできません。

母親でさえ、入口までとなっています。

 

私の時は予科生は本科生より上の階でのお部屋が割り当てられた生活でした。

もし今が違っていたらその時の話だな・・・と思って読み流していただければと思います。

 

ちゃんとした建物であったとしても、生活音というのは階下に響きます。寮では極力足音を立てないように過ごします。

 

寮のお部屋にも本科生が注意をしに来られることがあります。

そんな時、予科生はパジャマで出ることはできませんので洋服で廊下に出ます。

娘役であれば前髪を二つに割ってくくる、男役であれば前髪がおりないよう固めた状態で廊下にでなければなりません。

 

お風呂が終わって髪の毛を乾かしたらまたそのスタイルに髪の毛をまとめるということです。通常であれば考えられないことですが、ノックがいつきてもすぐに出られる状態にしておくことが大事なのです。

 

予科生の時代は、洋服のまま布団に入っていたこともあるぐらいです。

すみれ寮では“生活感をださない”ということを覚えました。

 

共通の冷蔵庫がありますが、ここに買ってきたものを入れているところを見られないようにする、とか

お風呂場にいくときには洗面器の中に入れているものを見せないようにタオルでくるむなど、

当時はよくわからないただの規則だと思って意味も考えずに行っていましたが、これは美意識の訓練です。

 

どんな状態であったとしても美しく見せる努力をすることなのではないかと思うのです。

 

歌詞にもありますが、タカラジェンヌは“夢を売るフェアリー”なのです。

フェアリー(妖精)が石鹸をもってパタパタ歩くなど想像したくもないですよね。

たとえ同期・内部の人間としかすれ違わない生活空間でもこれらを心がけることが大切なのです。

 

そのぐらいの意識をもって普段の生活から心がけていないと、すべて舞台の端々にでてしまうのでしょうね。

 

異性とのお付き合いはご法度!?

これも夢を売るフェアリーにつながりますが、異性とのお付き合いが禁止されているのかというと、そういうわけではありません。

ただ暗黙の了解として、そのような姿はお客様がどこで見ているかわかりませんし、宝塚歌劇団の夢の舞台にそぐわないということで公にすることはご法度です。

 

とはいえ、寿退団も少なくないので何かしら在団中にご紹介があったりお付き合いをしている人はいらっしゃいます。

 

お年頃でもありますし、アイドルグループのようにバレたら強制的に退団させられるというようなことはありません。

これも“場をわきまえて行動する”ということでしょうか。

 

20代は恋愛も楽しみたいお年頃ですので、芸に集中しなくてはならない大事な時に恋愛にうつつを抜かしている場合ではないというのが本当のところだと思います。

アイドルグループなどでは出会いも多いでしょうし、禁止するぐらいがちょうどよいのでしょう。

 

 

所帯じみないこと

普段の生活が舞台に出てしまうということをお伝えしましたが、正直生活が乱れていると舞台に影響します。

特に異性関係で女性は醸し出す雰囲気が変わります。

いい方に働けばよいですが、悪い方に出ることも十分にあり得ます。

上級生からご注意をいただくこともあるかもしれませんが、こればっかりは自己管理ですね。

娘役は特に所帯じみているとか、女中顔と言われるのが最悪のレッテルです。

 

お芝居ですのでリアルに演じなくてはならない反面、リアルすぎてもダメ。これが難しいところです。

宝塚ではなく外部のお芝居であれば、本当の男性とのリアルなお芝居になるので逆にタカラジェンヌは難しいポイントになるかもしれません。

 

在団中のタカラジェンヌの恋愛は時間的にも立場的にもなかなか難しいのではないでしょうか。

これは自分も含め周りを見ていてそう思ったことです。

 

普段の生活というのは、ふとした瞬間に出てしまうのですね。

 

これは社会に出ても同じことです。

プライベートな事情はあまり同僚に軽々しく話さないほうがいいと私は思っています。

いつなんどき、何があるかわかりませんので、事情として知っておいてほしい場合以外は私生活はベールに包む方がよいでしょう。

口は災いのもと

プライベートと仕事はそういった意味で線引きをしておくのがよいと思います。

 

今日は生活感についてお話しました。

仕事によりこのあたりのことは舞台人や芸能関係のお仕事についてる方に限る内容にはなるかと思いますが、自分の身は自分で守るということも仕事のうちです。

私も多くの失敗をしてきたうえでのまとめです。

参考になれば嬉しいです。

 

ではまた次回のブログでお会いしましょう。

 

本日もありがとうございました。

 

 

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